巧遅は拙速に如かず
上手くて遅いよりも、少々下手でも早い方が良い。
これは、中国の兵法書「孫子」の中で語られている一節の訳です。つまり、刻々と戦局が変わる戦場では、速攻こそ最大の武器であるという事を意味しています。
これは仕事においても同様です。今、私達が置かれている環境は、日々目まぐるしく変化しています。時間を掛けて最善の策を打ったつもりでも、その戦術が時代遅れで通用しなかったという事も珍しくありません。
決断は迅速に!これが仕事という戦場で勝ち残るための最大の秘訣です。
では、なぜいざという時に迷いが生じるのでしょうか。
それは、価値判断の基準をあいまいにしたまま、毎回その場しのぎで判断してしまうからです。
仕事において、特に経営視点だと、様々な価値が衝突します。
「損失は出るが正しい」
「撤退すべきだが売り上げが減る」
このように、ある決定を下せばトレードオフで他の価値判断の基準が満たされません。
その他にも、損得、大小、情理、公私、善悪…など様々な価値判断の基準があります。
迷いを断ち切り迅速な判断を下すには、価値判断の基準を予め決めておく事です。
例えば、最初から「損益」を第一に考えるのであれば、他の価値判断の基準を満たさなくてもスムーズに意思決定することができます。
注意すべきは、その価値判断の基準も時代によって変化します。
したがっていくら価値判断の基準の優先度を決めても、時代に即していなければ何の意味も無いどころか、自分の首を締めることになりかねません。
絶えず、時代を先読みする感性を磨いて行く必要があります。また、自分の判断基準は合っているか?と自分自身を振り返ることも大きな意義があります。
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